第193章:リース

俺は不安と焦燥に駆られ、オフィスの中を行ったり来たりしていた。もうすぐ夕食の時間であり、会議の時間も迫っている。グレースはまだトレーニングに出たままだ。今日は集団でのランニングに行っているらしい。俺も顔を出そうかとは思ったが、やはりジムでワークアウトをする方が性に合っていた。以前は週に何度もレオンと組み手をしていたものだ。体が、あの荒々しい動きを求めてうずいている。だがレオンがいない今、俺と対等に渡り合える相手などいなかった。他の戦士たちともっと訓練すべきなのは分かっているが、彼らでは手ぬるすぎる。この鬱積したエネルギーを吐き出すには、相応の試練が必要なのだ。

何かをしなければならない。他の...

ログインして続きを読む