第206章:レオン

暗闇にはもう慣れた。むしろ暗いほうがいい。暗闇は、廊下の突き当たりにいる見張りを除けば、俺たちが独りであることを意味していたからだ。手首の鎖は業火のように熱く食い込み、冷たく湿った空気には一生慣れそうになかった。ここは俺から生気を吸い取っていく。この群れ全体に重苦しい空気が漂っていて、どうやってここで暮らしていけるのか理解できなかった。もしかしたら、誰もまともに暮らせてなどいないのかもしれない。

廊下の向こうで扉が開く音がして、俺の体は強張った。だが、俺やケイレブの独房に向かってくる気配はない。それでも俺は息を潜めた。

「今、女を連行しているところだ。数時間もすれば下に連れてこられるだろう...

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