第216章:リース

「それなら、考えられる可能性は二つね」メイジーは静かな声で答えた。「彼が敵側についていて、あなたをその気にさせて攻撃の機会を窺っていたか、あるいはここへ来る途中で捕まり、誰かが彼に成りすましていたか。どちらにせよ結末は同じだけど、あなたが信じたいほうのシナリオを選べばいいわ」

あらゆる可能性を見通すことにかけては、メイジーの右に出る者はいない。それが彼女の長所の一つだ。彼女は自分がどれが真実だと思うかは口にしなかった。少なくとも、すぐには。だが、常にすべての角度から物事を見ていた。俺はその男が偽物かもしれないと考えていたが、彼女の言葉で現実味を帯びた。二つの可能性の「方法」と「理由」が明確に...

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