第217章:リース

地面に足が着く前から、俺は自分がどこにいるか分かっていた。一体全体、どうしてまたこんな所に来ちまったんだ? 俺たちはアーロに調査を頼み込んでいたが、彼はここに引きずり込まれない方法があるかどうか教えてくれなかった。俺は凍りついた。前回、俺はここに招かれて来たわけじゃなかった。月の女神によれば、前回俺を引き込んだのはグレースだったという。今回もグレースがやっているのか? 彼女はどこだ?

森は前回よりもさらに鬱蒼としているように感じられた。枝や藪があらゆる方向に突き出している。アーロの話が正しければ、ここは俺が一番来たくなかった場所だ。そこにいるクリーチャーの姿を実際には見ていないため、アーロも...

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