第223章:恵み

毛布を体にきつく巻きつけると、私の歯は激しく音を立てて鳴った。疲労で全身が震えていたが、まだ治療しなければならない人が六人も残っている。ここで終わるわけにはいかない。外に出て脱出する時、彼らには生き残るチャンスが必要なのだ。外に出れば、私には誰も守ることができないだろう。すでに限界は迎えていたが、やるしかなかった。時間は刻一刻と迫っている。この場所で時間の感覚など無いに等しかったが、もしこの好機を逃せば、次がいつになるかは誰にもわからない。少なくとも、近いうちにチャンスは巡ってこないだろうし、そうなればリースを罠へと誘い込むことになってしまう。彼にそんな仕打ちはできない。だめだ。失敗という選択...

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