第232章:リース

キャンプは完全に闇に包まれていた。俺は目の前に広がる何もない野原を見つめながら、もう百万回目になる問いを反芻していた。境界線を越えて、彼女を探しに行くべきかどうか。カレブたちが戻ってきてから数時間が経過していたが、俺は義務感から持ち場を離れずにいた。彼女ならきっとたどり着ける。絶対に。だが、一分一秒が過ぎるごとに、俺の中の狼は絶望を深め、焦燥に駆られていった。ああ、クソッ。最悪だ。

「誰か見えた?」ヘザーが、少し期待を込めすぎた声で尋ねた。

「見えてたら、俺がこんなところに座ってると思うか?」俺は問い返した。声に冷たさが滲んでいるのが自分でも分かった。

彼女はため息をついたが、他の奴らみ...

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