第240話グレイス

私はリースが持ってきてくれた小さなバックパックをトラックに放り込んだ。血にまみれ、ずたずたに引き裂かれた同じ服を永遠とも思える時間着続けていたあとで、自分の服が手に入ることに、言葉では言い表せないほどの感謝を感じていた。リースはその服を燃やそうかと言ってくれたが、私は「そんなもの、地獄へ直送してくれて構わない」と答えた。彼は笑って、私が戻ってきてくれて嬉しいと言った。私も同感だった。戻ってこられてよかった。すでに日常が戻ってきたような気がした。

五回にわたる会議の末、ようやく全員が納得できる計画がまとまった。ゴールデン・パックには約二十名の戦士を残すことになった。彼らの任務はゴールデン・パッ...

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