第44章:リース

グレースの頬を涙が伝い落ちるのを見て、俺は彼女に真実を告げたことを後悔しそうになった。その青い瞳は、彼女自身が見せたくないであろう恐怖をありありと映し出していた。レオンとソーヤーを怒鳴りつけてやりたい衝動に駆られ、俺は念話(マインドリンク)を通じて彼らに怒りをぶつけた。

「泣いてるじゃないか」俺は唸るように言った。

「まあ、一度にいろいろ言われすぎましたからね」ソーヤーが弁解する。

「これ以上隠し通すほうが、もっとまずかったでしょう」レオンが答えた。その口調には微かに笑いが滲んでいる。

「どうすればいい?」俺は尋ねた。

「ただ傍にいてやればいいんですよ」レオンはそう答え、念話を切った...

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