第62話恵み

疲労感と共に目が覚めた。窓に目をやると、いつもよりずっと長く眠っていたことに気づく。日はすっかり昇っていて、もう正午近いはずだ。体を伸ばしてみたが、驚いたことに隣は空っぽだった。彼がいなくてほっとしたのか、それとも残念に思ったのか、自分でもよく分からなかった。ここ数日、彼はいつもそこにいたけれど、その時間は激しく、理性を忘れるようなものだったから。今、ようやく自分を取り戻し、この数日間の出来事を思うと、少し恥ずかしさがこみ上げてくるのを抑えられなかった。あんな経験は初めてだったし、体はその余韻をはっきりと感じていた。

全身が痛む。しばらくベッドに横たわっていたが、シャワーを浴びれば少しは気分...

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