第78章:恵み

私の中の一部は、アリソンを激しく憎んでいた。彼女の存在そのものが癇に障るのだ。私は自分自身を疑ってしまっていたが、本来疑うべき相手は彼女の方だ。彼女にそんなことを言う権利はない。私に話しかける権利すら、これっぽっちもないはずだ。リースの警告を聞いたはずなのに。彼女は自らの首を危険にさらしている。それは本来、私の知ったことではなかった……彼女がそれを「私の問題」に変えてしまうまでは。

「言わせてもらうけど!」私は彼女に向かって叫び返した。「少なくとも私は、アルファ・キングの気を引こうとしてコソコソ嗅ぎ回ったりなんかしないわ!」

「ここで何が起きているんだ?」

アーロの家から出てきたソーヤーの...

ログインして続きを読む