第79章:恵み

私はショックを受けて番(つがい)である彼を見つめた。レオンも同じ表情をしていた。驚いたことに、イーサンだけは動じていなかった。そのことが、なぜかリースの言葉にさらなる信憑性を与えていた。

「どうしてそう思うの?」ようやく声が出せるようになると、私は尋ねた。

「そうだな、前からなんとなく考えてはいたんだが……キンズリーとエイドリアンには子供がいない。それも、もうずいぶん長いことそうだろ?」リースは問いかけた。

話の行き着く先が見えず、私は彼を見つめたが、それでもかすれた声で「うん」と肯定した。

「やっぱりな」リースは一人頷いた。「つじつまが合うんだ。キンズリーがどこまで知っていたか、ある...

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