第99章:恵み

膝の上で手を組んだ。指先がもじもじと動いてしまうのを、誰にも悟られないように。私ならできる。勇気を出して、この「ルナ」としての責務を果たすんだ。自分がルナに、ましてや「クイーン・ルナ」にふさわしいなんて、未だに信じられなかったけれど、リースの顔に泥を塗るようなことはしたくないし、誰かに嫌われる理由を与えたくもなかった。だから、自分に言い聞かせる。私ならできる。この哀れな子供たちのためにも、やらなければならないのだと。

マイケルと呼ばれた少年は、すがりつく幼い子供の手を振りほどき、グループの中で次に年長らしき子にその子を任せた。任されたその子だって、まだ十三歳くらいにしか見えないのに。

女神...

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