第6章

翔太視点

 氷点下十度の鳴海市の吹雪は、ただ凍えるように寒いだけではなかった。氷混じりのみぞれが、まるで砕けたガラスの破片のように俺の顔に叩きつけてきた。

 一時間前、彼女に電話を一方的に切られた直後、俺は警備員たちに引きずり出された。そして今、凍てつく鳴海市の歩道に立ち、神崎グループ本社の最上階に灯る明かりを見上げていた。

 彼女はあの場所にいる。そして、共に這いつくばって生きてきたあの歳月は、彼女にとってまったく無意味なものだと言い放ったのだ。ただのゴミだと。

 俺は感覚のない両手をこすり合わせ、コートのポケットから欠けた真鍮のトロフィーを取り出した。彼女がこれを見てくれさえすれ...

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