第7章

林原智哉との間に、異様な緊張感が漂っていた。

同じ屋敷に住んでいるというのに、まるで互いを知らない他人同士のようだ。

分かっている。あの写真が日本の週刊誌に掲載されれば、大騒ぎになることは間違いない。日本のSNS上のネット民たちは、私たちの「カップル」神話を徹底的に打ち砕き、林原グループの株価も再び打撃を受けるだろう。

しかし、林原智哉はそんなことを気にも留めていないようだった。最近の彼は財団の緊急案件の処理に追われ、毎日朝早くから夜遅くまで働き、顔を合わせる機会すらほとんどなかった。

数日後、私はこのまま座して死を待つわけにはいかないと決意した。コンピューター技術に精通し...

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