第18章 阿部家の孫

有岡健太はその言葉にかっとなり、手でスーツの上着をばさっと持ち上げると、片手を腰に当てて詰め寄った。

「……どういう意味だ。誰を呪うつもりだよ」

「健太兄さん、大げさに考えないで。要するに、そんなに焦ってどうするのって話。別に、今にも死にそうってわけじゃないでしょ」

有岡里穂は車をマンションの前に停める。

降りるなり、ドアがバンッと鈍い音を立てた。

「有岡里穂……病院にいるのが安菜だって分かってて、よくそんな悪意のある言い方ができるな? 安菜に何か起きたら嬉しいってことか? どこまで性根が腐ってんだよ!」

有岡健太は目を吊り上げ、革靴のつま先で廊下の壁を思い切り蹴りつけた。

安...

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