第46章 偶然ではない

「さっき、原口美愛を呼び出したとき、誰かに見られてなかった?」西川安菜が問いかけた。

桜井彩乃は首を振る。

「たぶん……誰にも」

余計な面倒を避けるため、さっきはわざわざ原口美愛の周りに誰もいないタイミングを狙ったのだ。

「本当に?」西川安菜は重ねて聞いた。

そう詰められると、桜井彩乃も急に自信がなくなる。

「わ、わかんない……でも、たぶん大丈夫だと思う」

西川安菜は、あれほど使い勝手のいいパシリを今ここで失う気はなかった。深く息を吸い込み、こみ上げる苛立ちを押し殺す。

「見られてたかどうかはどうでもいい。あんたは何も知らない。いい?」

桜井彩乃は不安げに唇を噛んだ。

「...

ログインして続きを読む