第49章 どうしたいんだ?

有岡里穂は、西川安菜がこのまま大人しく引き下がるはずがないと分かっていた。くすりと笑って首を横に振ると、そのまま校長へ視線を向ける。

「校長先生。美愛の怪我、かなり重いんです。背中は十数センチも裂けて、大量出血のせいで搬送時には低体温まで起こしていました。ほとんど命に関わるレベルですよ。それでも学校は、相手の家柄が理由なら庇うつもりですか」

ゆるく弧を描いていた唇が、すうっと冷えていく。

「もしそうなら、私は別に構いませんよ。臨市第一高校を、その壇上から引きずり落としても」

ぞくりとするほど冷えきった眼差しだった。

そこに立っているのは、まだ十代前半の少女にすぎない。だが、彼女の身...

ログインして続きを読む