第55章 困ったことがあったら、いつでも頼ってくれ

有岡健太は話を聞き終えても、まだどこか納得していない様子だった。けれど、隼人兄さんの言い分にも一理あるとは思っているらしい。

彼はぐったりとソファに腰を下ろし、気の乗らない声で言った。

「じゃあ、安菜の入学はどうすんだよ。ゴールドカップの件は宙ぶらりんのままだし、大学入学共通テストもどんどん近づいてる。このまま引っ張れば安菜に不利だろ。それに最近の有岡里穂の態度、明らかにおかしくなってきてるし……」

西川安菜も、涙をたたえた目で有岡隼人を見た。

そうだ。ゴールドカップという近道を失って、一番困るのは自分なのだ。

有岡隼人は目を伏せたまま、淡々と言った。

「別の手を考える」

たっ...

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