第58章 中毒反応だ

「阿部さん、いま……私の声、聞こえますか?」

有岡里穂はもう少し身を寄せた。男の荒い呼吸が、耳に痛いほどはっきり聞こえる。

……苦しそうだ。

「阿部さん?」

もう一度呼びかけても反応が薄い。里穂は迷わず手を伸ばし、額に触れた。

手の甲が肌に触れた瞬間、焼けるような熱がどっと押し返してくる。

「ひどい熱……」

これは危険な熱だ。里穂はすぐに冷蔵庫から氷を取り出し、近くの洗面所でタオルを掴む。氷を包み、手早く即席の冷却剤を作った。

阿部蓮太郎の頭に当てると、冷たさに反応したのか、朦朧としていた男がふいに目を覚ました。

苦しげに瞼を持ち上げ、里穂を見上げる。

「……どうして、来...

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