第10章

「国際的慈善家であり、心霊シェルターの創設者、三好夜様をお迎えしましょう!」

司会者の声が、豪華な五つ星ホテルの宴会場に響き渡り、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

私は、シンプルながらも優雅な白いドレスを身にまとい、ゆっくりとメインステージへと歩みを進める。全ての視線が私一人に注がれているのを感じた。

巨大な横断幕には『三好夜様慈善基金会』という金色の文字が、ライトを浴びてきらきらと輝いている。

三年。

三年前の私は、血脈グループに追われる絶望的な少女だった。しかし今、国際的な慈善家という肩書きを引っ提げ、故郷へと戻ってきたのだ。

「三好夜! 三好夜! 三好夜!」

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