第45章

この言い訳に、佐藤清子は反論できなかった。

「では裕也が帰ってきてから話し合いましょう。彼が同意するなら、私は構いませんよ」

林田浅子は小さな顔に甘い笑みを浮かべた。

「ありがとう、お母さん」

田村おじさんが丁寧に煎じた安胎薬を運んできた。

「若奥様、これは奥様が直々にご指示されたものでございます。あなたと赤ちゃんにとても良いものですが、少し苦いので、砂糖も用意しておきました。全部お飲みくださいね」

林田浅子は……。

佐藤清子も励ますような目で林田浅子を見つめていた。

林田浅子の心の声。妊娠してないのに安胎薬なんて飲むの?藤原裕也、どうしてお母さんに言わなかったの。

「お母...

ログインして続きを読む