第130章 ドレスの争い 3

桜の顔はカッと赤く染まった。一介の店員ごときに自分のプロポーションを批判されるなど、思いもよらなかったのだ。瞳には怒りの炎が燃え盛り、奥歯をギリギリと噛み締める。これほどの屈辱はない。芸能界では常に完璧なイメージを保ち続け、今まで誰一人として彼女にそんな口を利く者はいなかった。両手はきつく握り込まれ、怒りのあまり全身が小刻みに震えている。

怒りに任せて受付係の手から箱をひったくるように奪い取ったが、ふと自身の『清純派』というキャラクター設定を思い出す。彼女は箱を胸に抱き抱え、今にも泣き出しそうな表情を作ってみせた。

「わたしがこのドレスに相応しくないって言うの? サイズを直していただくこ...

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