第64章 葉山グループ

藤原グループと恒基バイオが業務提携の合意に至ったという知らせを受け、海市で医薬品事業を展開する多くの企業が、その利益のおこぼれに預かろうと次々に藤原グループへ接触を図ってきた。葉氏グループもその中の一つである。

もっとも、葉氏グループから持ちかけられずとも、藤原南は受注の一部を彼らに回すつもりでいた。その主な理由は、桜の存在に他ならない。

南の胸中で、桜に対する愛情はすでに薄れつつあった。記憶が徐々に戻り始めたことで、彼女への感情は次第に罪悪感へと変わっていったのだ。何しろ、彼女は丸六年間も自分に寄り添い続けてくれたのだから。もしもいつか別れを切り出す日が来たら、せめて別の形で彼女に報い...

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