第78章 コフィロ

韓国へ向かう機内で、桜はずっと押し黙っていた。うつろな瞳で窓の外に浮かぶ真っ白な雲を見つめていたが、思考は絡まった糸のように乱れていた。脳裏を絶えずよぎるのは藤原南の姿だ。かつては優しく労わり、何でも言うことを聞いてくれたあの男。彼は今、何をしているのだろうか?まだ私のことを気にかけてくれているのだろうか?そう思うたび、見えざる手に心臓をぎゅっと鷲掴みされたような鈍い痛みが走る。

桜の心境を察した絵里姉は、彼女の手をぽんぽんと軽く叩き、優しく語りかけた。

「桜、あまり思い詰めないで。コフィロの件を片付けてから、藤原南のことを考えればいいの。今はあなたの芸能生命を守ることが最優先よ」

桜...

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