第3章

喉の渇きなら今はすぐに解決できる。近くのヤシの木には実がたくさんあるから、それで急場をしのげるだろう。食料については、今はまだ探せそうにない。

ふと考えると、人間が岸まで流されてきたのなら、荷物なども同じように流れ着いているかもしれない。

そう思いついた俺は、運試しをしてみることにした。まずヤシの実を割って喉の渇きを癒し、それから山田瑶子に言った「お前はここで火を守っていろ。俺は周辺を見て回って、海産物でも拾えないか探してくる」

山田瑶子は自分だけここに残されると聞いて、少し怯えた様子で言った「夜は危ないわ。私も一緒に行った方がいいんじゃない?」

男として、女性を守るのは当然だ。彼女...

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