第53章

今回、モデンとモラは夕食を共にせず、伝言を残してから立ち去った。

去る際、モデンはまだ何か言いたげな様子だった。

林田琳は手にした果物をあっという間に食べ終え、私の意見を尋ねてきた「彼ら、態度がコロコロ変わるし、何か隠してるみたいでなかなか信用できないわね。ひさちゃん、本当に行くつもり?」

私はすぐに林田琳に答えず、逆に問いかけた「つまり、目の前には二つの選択肢があるということだ。一つは、この場所に留まって手がかりもないまま出口を探し続けること。もう一つは、危険があるかもしれないが、ここから脱出できる手がかりを見つけられる可能性があることだ」

「どちらを選ぶ?賭けに出るのか?それとも...

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