第59章

フェイシーは彼らに向かって言った「いいから、私はもう決めた。これからは君たちに任せるよ」

そう言うと、フェイシーは足を上げて沼地へと踏み出そうとした。

「族長!」

「族長!早まってはなりませぬ!」「族長がいなくなってしまわれたら、我々ドワーフ一族は、一体どうなってしまうのですか!」

「族長……」

フェイシーがまさに沼地に飛び込もうとした瞬間、私は手を伸ばして、軽々とフェイシーを引き戻した。

この光景にドワーフ族は呆然としただけでなく、林田琳以外の三人の女性も私の行動に驚きの表情を浮かべていた。

山田瑶子は涙を拭いて笑顔に変わり、両手を口元で合わせた「やっぱりひさ兄はそんな残酷な...

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