第14章 真の名医

「え?君は...」

お爺さんは水原空の自信溢れる姿を見て、すぐに顔を上げた。

水原空はまっすぐに老人の前へ進み出ると、その手首を取って静かに脈を診た。やがて、落ち着き払った目で言った。「まだ手遅れではない。俺が治せると言ったら、必ず治る」

「本当ですか?」

後ろから、先ほどの美しい若妻が急いで前に出て、半信半疑の様子で言った。「私たち、これまで多くの所謂名医、本物の名医にも診てもらいましたが、みんな治せないと...まさか...」

「他人は他人、俺は俺だ!俺が治せると言ったら、治せるんだ!」

水原空の瞳には自信に満ちた色が宿り、さらに続けた。「俺の見立てが間違ってなければ、お爺さん...

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