第38章 兄貴

中年男性は突然水原空に名刺を差し出し、その後高田進たちを一瞥すると、手を一振りして全員を解放した。さらに、以前の契約書さえも彼らに返却した。

高田進たちは大赦を受けたかのように安堵し、水原空を見る目も一変した。

全員が立ち去った後、天才ギャンブラーとその一味はまだ水原空に取り入ろうとしたが、水原空は彼らを蹴散らし、彼らと同類になるつもりなど毛頭なかった。

「水原…お前、ずっと俺を騙してたんだな。能ある鷹は爪を隠すってやつか!まさか、俺の親友がこんなとんでもない大物だったなんて!うぅ…さっきは、マジで死ぬかと思ったぜ…」

帰り道、平川一仁は泣きじゃくり、本当に恐怖で震えていた。

しか...

ログインして続きを読む