第56章 かなり強い

水原空は平原俊峰を見つめていた。結局、手を出すという選択肢を諦め、慎重に行動することにした。

今、彼が行動に出れば、平原俊峰とこの二人の男をすぐに倒せるかもしれないが、柳田美咲の安全を百パーセント保証することはできない。平原俊峰の手にある刃物はあまりにも鋭く、軽く触れるだけでも柳田美咲に計り知れない危害を与えかねない。もし平原俊峰が追い詰められて、本当に柳田美咲の喉を切ってしまったら、取り返しがつかなくなる。

だから彼はまだ怯えているふりを続けた。「平原俊峰、これは犯罪だぞ。警察に知られたら、刑務所行きになるんだぞ!」

「刑務所だと?」平原俊峰の目に凶暴な光が宿り、軽蔑した口調で言った...

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