第106章 馴染みのある感覚

しかし神野若芽と周防ほしは、聞こえなかったふりをして、そのまま歩き続けた。

玄関口には神野孝峰が立っていた。こちらへ向かってくる神野若芽と、その背後におとなしく付いてくる周防ほしを見て、顔が引きつる。

――まさか。本気で、よその家の息子を連れて行くつもりか?

どこへ? 誰が面倒を見る?

神野若芽がこの周防ほしを神野家へ連れ帰るなんて言い出したら、今度こそ本気で怒るぞ。

孝峰だって、タダで他人の息子まで養う気はない。だが、こいつならやりかねない。そう思うと、背筋が冷えた。

「止まれ! みっともない真似をするな! お前が恥をかかなくても、こっちが恥をかく! その子を部屋に戻せ!」

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