第138章 人を怒らせた

川市レストランの『大事な客』を怒らせたと言われても、芳賀冴白にはまるで心当たりがなかった。

あれこれ思い返してみても、最近とんでもない大物に喧嘩を売った覚えはない。

神野若奈にも確認した。若奈も「ない」と首を振った。

つまり――誰かを敵に回したのは確かだが、相手が誰なのかすら分からない、ということだ。

……腹立たしい話は一旦置こう。

幸い、耀宿レストランのほうは夕方の時点で予約を入れてある。

川市レストランがダメなら、耀宿レストランがある。

芳賀冴白と神野若奈は連れ立って、耀宿レストランの扉をくぐった。

店内で二人の姿を見つけた半田虹は、すっとフロントへ歩み寄る。

「こんば...

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