第202章 もう一つの隠された身分

権田真鳥は深く考えもせず、エアライフルを店長に渡した。

店長は手際よくボルトを引いてから、また権田真鳥へ差し出す。

その一連の動きを横で見ていた神野若芽が、すっと目を細めた。

権田真鳥は受け取り、もう一度狙いを定める。

パンッ!

弾は布に当たったが、外れた。

「権田様?」寺内七造が目を見開く。

――あり得ない。

周りの連中は「外れることもある」と軽く流したが、寺内七造だけはそう思えなかった。

権田様は撃てる人だ。百発百中と言っていい。その権田様が、今の一発を外すなんて。

権田真鳥は頬付けを外し、外れた辺りへ視線をやって、目を細める。

少し考えたあと、風船の「左上」にわず...

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