第229章 怪我をしたら出場するな

「き……棄権?」神野若帆と女子バレー部員たちが、口をそろえた。

そうなるだろうとは分かっていた。けれど、いざ耳にすると、やっぱり胸の奥がもやっとする。

「ほかにどうしろってんだよ」体育教師が力なくこぼす。「神野若芽はケガだ。神野若帆の手首だってまだ治ってない。主砲がいないのに、何の試合をやれって?」

神野若帆「……」

正直、ここまで情けない顔をされると、若帆の胸も少し痛んだ。

――本当は、自分の手首はケガなんてしていない。出ようと思えば出られる。

それでも嘘をついて出ないと言ったのは、神野若芽に『穴』を用意するためだった。

なのに、よりにもよって若芽が昨夜、本当にケガをした。

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