第23章 検査は必要ない

神野若芽は鞄を机の横に放り投げると、そのまま机に突っ伏して眠りに落ちた。

昨夜はなかなか寝つけず、結局、夜更かしして何枚か絵を描いた。いまになって眠気が一気に押し寄せ、まぶたが重くて開けていられない。

そこへ神野若帆が教室に入ってきて、若芽のだらしない姿を見るなり、鼻で笑った。冷ややかに。――まったく、向上心の欠片もない。

ほどなくして始業のチャイムが鳴り、生徒たちがぞろぞろと席に戻っていく。

少し遅れて、数学担当の立田が入ってきた。腕には分厚い束のプリント――試験用紙がどさり。年配で、あと数年もすれば定年だろう。何十年も教壇に立ち、教え子は数え切れない。

立田に教わったことのある生...

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