第238章 ドレスに着替えた彼女

神野若芽は寺内七造を一瞥すると客間へ向かい、扉を閉めた。

それから大して経たないうちに、周防ほしの部屋の扉が先に開いた。

ほんの少しだけ、すうっと隙間ができる。

「着替え終わったか?」

寺内七造はソファから立ち上がり、周防ほしのほうへ歩み寄った。

バタン――

容赦なく扉が閉まった。

寺内七造「……」

寺内七造は扉を叩きながら言う。

「おい、早く出てこいって。神野嬢ももう出てきたぞ。出てこなかったら、お前だけ家に置いてくからな!」

周防ほしは扉に向かって、うんざりしたように目をぐるりと回した。

若芽姉さんは、出かける前にあいつの扉を蹴ることはあっても、自分だけ置いていった...

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