第38章 正装して宴会に参加する

神野若芽は気だるげに口を開いた。

「今のところは、まだ分からない。もう少し様子を見る」

――また前みたいなのに当たったら、面倒くさい。

「了解。こっちでも目を光らせとく。何か面白いブツが出たらすぐ回すわ」

吉川英は、そういう嗅覚だけはやたらと鋭い。

「お願い」若芽は短く返した。

……

帝都でも指折りの高級住宅街。

控えめなのに格が滲むセダンが、一軒の和風邸宅の門前で静かに止まった。

古色を帯びた意匠に、落ち着いた上品なグレー。門の両脇には狛犬が二体、どっしりと構え、家格を誇示している。

後部座席のドアが開く。

伸びやかで力のある脚が地面を踏み、男が降り立った。

上質な...

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