第90章 食事のためだけではない

「旦那、参りましょうか?」

寺内七造はスマホを取り出し、時刻を確認した。

もう18時半。これ以上ぐずぐずしていたら、プライベートジェットの発着に間に合わず、帝都へ戻る予定に響く。

「爺さんに連絡しろ。川市で重要な商談が入った、数日は帝都に戻らないって」

権田真鳥は車のドアを開け、すっと乗り込む。

「え? 帝都に戻らないんですか? 川市に残るって……?」

寺内七造は目を丸くした。

――神野嬢のため、ですよね?

さっき神野嬢、権田様にお礼がしたいって、明日の食事に誘ってましたし……。

でも、数日も?

まさか権田様、本気で神野嬢のために川市に滞在するおつもりで……?

寺内七造...

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