第6章

悠真が手を伸ばし、優しく慎重な仕草で私の部屋のカーテンを閉じた。

「電気を消して」と彼が囁いた。「こうすれば、あいつらからは見えない」

私はスイッチを切り、部屋は闇に包まれた。カーテンの隙間から、かすかな月明かりが差し込むだけだ。悠真は窓際の椅子に腰を下ろし、カーテンの隅をそっと持ち上げて下を窺った。

「まだ下にいる……」彼は緊張した声で呟いた。「もっとこっちに寄って。この角度なら、俺たちは見えないから」

一瞬ためらった後、私は彼の方へ歩み寄った。椅子は一つしかないので、彼の隣に立つしかない。肩が触れ合いそうなくらい近くに。彼の服から漂う洗剤の微かな香りと、男らしい存在感に...

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