第165章 橘結衣になんて期待するべきじゃなかったんだ

記者たちはいちばん後方、規制線の外に陣取り、手にしたカメラを掲げてはひたすらシャッターを切り続けていた。

「01番、山内健成の作品。最終評価は76.5点。02番、酒井幸成の作品。最終評価は71.1点……」

審査は滞りなく進み、最初の10作品はあっという間に採点が終わった。最高点も80点を超えない。

橘礼子も客席に座り、その様子を見守っていた。

「晴美、あなた何番なの?」

「私は第三組よ」橘晴美が答える。

「じゃあ、もうすぐね」

正面のスクリーンは鮮明で、作品が映し出されるたびに一分ほど表示される。客席からでも細部まで十分に見て取れた。

「続いて、031番。橘晴美の作品」

橘...

ログインして続きを読む