第180章 橘結衣、誕生日おめでとう

橘晴美は口元にぱっと花が咲くような笑みを浮かべ、周囲と談笑していた。そこへ、橘国政が慌ただしく彼女のほうへ歩み寄ってくる。

「晴美、早く。俺と一緒に外へ出て、宮本お嬢様をお迎えするぞ!」

橘晴美は思わず目を瞬かせた。

宮本茜を迎える?

理解が追いつかないまま、彼女は橘国政に腕を引かれて外へ連れ出される。

橘国政の声はよく通った。周囲の招待客は「宮本家のお嬢様が来た」と聞いた途端、信じられないという顔をした。

「今、聞き間違いじゃないよな? 宮本お嬢様って言った?」

「四大家族が、今日みたいな席に来るわけないだろ」

ここに集まっているのも京清市の名門には違いない。だが四大家族と...

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