第190章 藤原理恵

橘晴美の顔色が、みるみるうちに抜け落ちた。動揺がそのまま表情に滲み、握りしめた掌は汗で濡れている。

その背後から、信じられないという横田大輝の声が飛んだ。

「橘晴美!」

「……お前、正気か?」

「本当に、全部お前が仕組んだのか?」

大輝には到底受け入れられなかった。ずっと善良で純粋だと思っていた橘晴美が、橘結衣を追い出すために、こんな汚い真似に手を染めるなんて。

橘晴美の身体がびくりと固まる。振り返った先には、怒りと失望で燃える大輝の目。そこに射抜かれた瞬間、彼女は完全に取り乱した。

「ち、違う……!」

「大輝、私じゃない。わざとじゃないの……!」

「わざとじゃない?」大輝...

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