第214章 私、彼のことがすごく好きなの

大野晴也はその言葉を聞いて、胸に引っかかっていた大石がようやく落ちた気がした。

向かいの少女を、信じられないものを見るように一瞥する。

――橘さんって、いったい何者なんだ?

「大野社長、ほかにご不明点は?」橘結衣が目を細めて彼を見た。「なければ、このまま契約を結びましょう」

「もちろん、問題ありません」

大野晴也は慌てて秘書に合図し、印刷済みの契約書を持ってこさせた。それを橘結衣に差し出す。

「橘さん、こちらの署名と社印を押す箇所は、こちらで済ませてあります。あとは御社側で署名していただければ」

橘結衣は受け取り、淡々とうなずく。

「分かりました。会社に持ち帰って社印を押しま...

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