第6章

この件をすべて調査したかった。だが、真琴はすでに彼女を連れ去ってしまっていた。だから私は、彼らが戻ってくるのを待って真相を調べることにし、まずは体を立て直すことにした。

しかし、一年後。洗面所の鏡に映る自分の青白い顔を見て、私は死期が近いことを悟った。

「ゴホッ――ゴホッ――」

激しい咳が胸を内側から引き裂く。まるで肺の奥から何かを無理やり吐き出そうとしているかのようだ。口元を覆い、ようやく発作が収まったとき、私はゆっくりと手を離した。

目に飛び込んできた鮮やかな赤に、吐き気を催す。

足から力が抜け、倒れそうになる。今月に入って血を吐いたのはこれで五度目だった。症状は悪...

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