第14章

翌日、桐生初夏はまだ薄暗いうちに目を覚ました。

ホテルに朝食を運ばせ、テーブルに突っ伏すようにして付箋へ文字を書き殴っている。――子どもたちには内緒で外へ出て、長男の手がかりを探すつもりだった。

「ママ、なにしてるの……?」

背後から、プリンの眠たげでしゃがれた声がした。

桐生初夏はびくっと肩を跳ねさせ、慌てて振り返る。付箋に書きかけていた『これを見た頃にはママはもう――』の一文を、手のひらでぐしゃっと塗りつぶした。

夜更かししても早起きな息子がいると、ほんとに頭が痛い。こそこそ何かしようとすると、すぐ現行犯で捕まる。

言い訳を考える間もなく、プリンは「ふむ」とでも言いたげに、クー...

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