第16章

ほかの連中も、さっと一歩引いた。まるで自分には関係ないと言わんばかりの顔を作って。

神崎司は眉間にしわを寄せ、ビビり散らかしている不二奏を乱暴に押しのけて立ち上がると、そのまま歩み寄った。

まず目に入ったのは、すらりと伸びた白い脚。白いスカートの裾には血が星屑みたいに散っていて、ぱっと見、残酷なくらい綺麗だった。

視線を上へ滑らせた瞬間、神崎司の表情が止まる。

――またこいつか。まさか諦めきれずに、ここまで追ってきたっていうのか?

桐生初夏は派手に転がされたうえ、飛び出した矢尻で肩まで射抜かれている。虫の息のまま、薄くまぶたを持ち上げ、神崎司を一度だけ見た。

闇に沈む直前、胸に残っ...

ログインして続きを読む