第19章

危うく罵声が口をついて出そうになった。けれど子どもが二人いる。桐生初夏はぐっと飲み込む。

「さっきまで首にかけてたのに……。もしかして、斜面を転げ落ちたときに落としちゃった?」

扳指がなくなるのは痛い。だがそれ以上に痛いのは、子どもの爹地に繋がる手がかりが途切れることだ。

桐生初夏は泣きそうな顔のまま、唇を噛んだ。帰国早々ついてない。全部、桐生麻衣っていう性悪女のせいだ。

でも、命があるだけマシだ。あの女の思い通りにならずに済んだ。

扳指がないなら、別の線を探すしかない。

プリンは腕を組み、呆れたようにこちらを見る。

「それがなくなったのが、そんなに意外? ママは自分ごと失くし...

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