第37章

ほんの一瞬だったが、見間違いなんかじゃないと確信していた。

神崎隼人はぴたりと静かになり、澄んだ瞳に疑念の光を揺らす。

――プリンがここにいるなら。萌々と初夏も、来てるってことじゃないのか?

そう思った途端、隼人の目の奥にかすかな期待が浮かんだ。もう暴れるのはやめ、素直に桐生麻衣に連れられて会場へ入っていく。

最前列のVIP席に座るなり、隼人は真っ先に場内を見回した。ほどなく、いちばん後ろの隅――目立たない角の席に、プリンの姿を見つける。

杏色のトレンチに、同系色のキャップ。大きなマスクとサングラスで顔の大半を隠している。

前にあのトレンチを着ているのを見たことがなければ、気づけ...

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