第38章

桐生麻衣は腹の底に溜め込んだ苛立ちを、もう演技で誤魔化す気にもなれず、ぷりぷりしながらその場を立ち去った。

「憂香、いま最悪。腹ん中、火ィつきっぱなしなんだけど」

ショッピングモールを出た彼女は、そのまま家に帰る気などさらさらない。友だちを呼び出して、酒でも飲んで憂さを晴らすつもりだった。

「今日出てきて一緒に飲まないなら、もう友だちやめるから」

電話の向こうがあっさり了承したのを聞いて、麻衣はようやく口元を緩めた。

「よし、決まりね」

「三〇分後、月影バーで」

桐生麻衣は道路脇でさっとタクシーを止め、そのまま乗り込んで走り去る。――そして、物陰から様子をうかがっていたプリンも...

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