第42章

「へえ、見かけによらず動けるじゃん」

プリンは面白がるように神崎隼人をじろじろ眺めた。こいつが猿みたいに身軽だって最初から知ってたら、わざわざクッションなんて用意しなかったのに。

ようやく自由の身になった神崎隼人は、そこでやっと笑った。塀を越えるのなんて何度もやってきた。上手くならないほうが難しい。

「早く行こう」

二人のちびっ子はそのまま道端でタクシーを拾い、さっさと走り去った。

一方、ようやく静けさを取り戻した神崎家の面々は、誰ひとりとして気づいていなかった。隼人様が、いつの間にかするりと抜け出していたことに。

――三時間後。

神崎グループ。

「神崎社長、ご依頼の資料はこ...

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